후리가나로 읽는 일본 고전
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おうがいのおもいで
鴎外の思い出
小金井 喜美子
小金井 喜美子의 鴎外の思い出(おうがいのおもいで)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 127,675자 · 254화면
人の命ほどわからないものはありません。わからないといえば、この四十五年は明治大帝崩御の年でした。
向島界隈
向島も明治九年頃は、寂しいもので、木母寺から水戸邸まで、土手が長く続いていましても、花の頃に掛茶屋の数の多く出来て賑うのは、言問から竹屋の渡の辺に過ぎませんでした。その近く石の常夜灯の高く立つあたりのだらだら坂を下りた処が牛の御前でした。そこからあまり広くもない道を二、三町行った突当りに溝川があって、道が三つに分れます。左は秋葉神社への道で割合に広く、右は亀井邸への道で、曲るとすぐに黒板塀の表門があります。邸に添って暫く行った処に裏門があり、そこからは道も狭くなって、片側は田圃になります。川の石橋を渡って、真直といっても、じきにうねうねする道を行くと小梅村で、私どもが後に引移った処でした。石橋に近い小さな家に、早くお国から出て来られたお父様とお兄様(長兄)とが住んでお出のところへ、お祖母様、お母様に連れられて、お兄さん(次兄)と私とが来たのでした。お父様はお手医者として、殿様のお供で上京したのですから、ほんとはお邸内に住むはずですし、また手頃な家もないではありませんでしたが、その頃のお手当はいかにも僅かなので、お兄様の学費のこともあり、私どもも出て来ますと暮しがむつかしかろうからと、わざと近い