후리가나로 읽는 일본 고전
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つるはやみき
鶴は病みき
岡本 かの子
岡本 かの子의 鶴は病みき(つるはやみき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 26,495자 · 53화면
「あのね。ダンテは天国篇より地獄篇を好く書いてますね。」私は何という突然なことを云い出したのか、自分でも呆れたが、麻川氏は意外にも素直に返事をした。「そうですな。由来、人類は極楽を理想とし乍ら実際に於てむしろ地獄に懐き親しんで居る。ダンテといえども……。」氏は斯う云い乍ら床の間の奥から今まで私の眼に見えない処へ転がしてあったメロンを取出して来て、器用に皿へ載せナイフで割った。そして歯を出して笑い乍ら、「われわれなんざ、宜しく新時代に斯の如くぶち割らるべきです。ははは……。だが、」とまた云って氏はメロンのなかからはみ出して来た種をナイフの尖でつっ突き乍ら「だがねえ、われわれのなかにだってこんな種がうじゃうじゃしてますよ。こいつがまた、地の底へもぐって、いつの時代にか、もくもくと芽を出すでしょうから、厄介なもんでさあ。」
白い犬が、何処からか帰って来た。またのっそりと私の眼の先に立って、私や麻川氏を見上げて居る。私はもう、だまってメロンを喰べて居た。
某日。――裏木戸の外へ西瓜の皮を捨てに行くと、木戸の内側の砂利道に、無帽の麻川氏がうずくまり、向うむきで地べたをじっと見つめて居る。