후리가나로 읽는 일본 고전
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しかのいんしょう
鹿の印象
木暮 理太郎
木暮 理太郎의 鹿の印象(しかのいんしょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 3,489자 · 8화면
大井川奥の田代から入って三伏峠まで、十数日に亙る南アルプスの縦走を企てたことがある。大正三年の夏で、その二年前に友の一人が初めてこの山行を試み、雨の為に散々に悩まされた話を聞いていた。それで是非とも其時の案内人夫を伴い度く思ったのであるが、生憎一人も都合がつかなかったので、別人を雇う外はなかった。谷筋には相当明るい猟師であっても、山の上は全く知らないのであるから、初登山も同様で甚だ頼りがない、唯二年前に兎も角も友の一行が通過しているということが一の心強さであった。
現今のように登山路が略ぼ完成し、至る所に指導標が建てられ、随所に小屋が設けられて、途中で迷う憂もなく、小屋から小屋へと辿って行きさえすれば、楽に目的が果されようという時代になっては、わざわざ人夫を雇って、天幕や食糧を担わせ、野宿の苦を忍んで、幾日かを山上に放浪した昔のような山旅をして見ようという物数寄な人もなかろうし、山もまたさぞ変ったことであろうと、手近な秩父あたりの有様と較べて想像しながら、昔懐しく思うのである。
此山旅で最も興深く感じたのは、山上に鹿の群と羚羊の多いことであった。