후리가나로 읽는 일본 고전
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しかのいんしょう
鹿の印象
木暮 理太郎
木暮 理太郎의 鹿の印象(しかのいんしょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 3,489자 · 8화면
猟師の所謂ノタも鹿の好む場所である。小石交りのじめじめした、草も木も生えない濘り気味のある山上の平な窪地で、それをこね返して夢中になって遊んでいるものだと猟師が話して聞かせた。草原を食堂兼午睡処とすれば、ノタはさしあたり運動場兼娯楽室とも称すべきものであろうか。この話を聞いてから間もなく、素晴らしいノタを見物する機会が到来した。
霧の深い日であった。山稜を成す大尾根が北と南から互に擦れ違うようにして、其間に抱え込んだ窪地は、四方を偃松に取り捲かれた絶好のノタであった。霧は音もなく其上を流れて、まぼろしに似た奇怪なものの姿が大きく、又小さく、顕れたり隠れたりしているのが眼を惹く。動いているように想われる。いや確に動いている。岩ではない、熊かな、考えてぞっとする。しかし熊は一と処にこう沢山集っているものでは決してない、何だろうと立ち停っている後から、案内の猟師が来て「旦那、本鹿だ、畜生、ノタでふざけていやがるに、鉄砲がありゃなあ」と小声で囁きながら、持って行くと言った鉄砲を荷が多いからと私が止めさしたことを頻りに口惜しがる。ニクという俗称のある羚羊に対して、鹿をホンジカと大井川奥の猟師は呼んでいる。