후리가나로 읽는 일본 고전
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しかのいんしょう
鹿の印象
木暮 理太郎
木暮 理太郎의 鹿の印象(しかのいんしょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 3,489자 · 8화면
物の怪に襲われた気持というのは即ちこれであろう。私は惶てて近くの木に攀じ上り、霧の霽れるのを待つことにした。其の時である。ピューンピューンという何かの声が霧の底から幽に聞えて来た、冴えた尻上りの細いがよく徹る声だ。耳を澄せば近いようでもあり、遠いようでもあり、鳥か獣かそれすらも分らぬ。私は其声に射竦められて、三十分余りも樹の枝にしがみ付いていた。すると颯と霧が開けて、右手に目的の尾根が現われる。声を揚げてオーイと呼ぶと、十五、六間離れた樹の上で、矢張霧の晴間を待っていたらしい案内者が笑顔を向けて「オー、旦那そこに居たかね」と答える。一緒になって、さっきの声はありゃ何だと質せば、鹿の声だと無造作である。土の段は。そりゃ奴等の作った寝場所でさあ。これで三十分も私を苦しめた謎の正体も飽気なく解決されてしまった。
連れて行った若い人夫は、案内の猟師の義弟であったが、骨格逞しく力があって、天幕から防寒具食糧品を合せ、十貫に余る荷を一人で背負って歩いたのには驚嘆した。森林の伐採が始まれば、いつも木伐りの方を働くというだけあって、小屋掛けが好きで手慣れていた。