후리가나로 읽는 일본 고전
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てらだとらひこ
黄道
和辻 哲郎
和辻 哲郎의 黄道(てらだとらひこ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 28,971자 · 59화면
幸いにして自分の杞憂は当たらなかった。丘と丘との間の低地も比較的に倒壊家屋は少なかった。がもしこの杞憂が当たった場合には、自分は大地震を予想しつつもそれに対してなんの手段も取らず、倒れた家の下になって死んだかも知れぬのである。
自分一己としては地震を怖れても火事を怖れてはいなかった。それは自分が家のまばらな郊外に住んでいるからであった。がもし自分が家の立て込んだ下町に住んでいたならば、地震以上に地震による火事を怖れたであろう。そうして怖れつつも引越しをあえてせずに、今度の火事で焼かれたであろう。自分が繁華な下町に住み得ずできるだけ自然に近い所に住家を求めたということは、結局自分の性格に起因するとは思うが、ただ地震や火災に対する態度のみについて言えば、自分は焼かれた人と同様に愚かである。自分は地震や火災に対して先見の明があったゆえに今度の天災を免れ得たのでは決してない。
自分の意志によって容易に始末することのできる自分一家について、自分はまさに右のとおりであった。だから自分は、度を知らず蝟集し来り、大火に対してなんの防備もないあの厖大な都市を築いていった人々の愚をわらうことはできぬ。