후리가나로 읽는 일본 고전
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こくしかんさつじんじけん
黒死館殺人事件
小栗 虫太郎
小栗 虫太郎의 黒死館殺人事件(こくしかんさつじんじけん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 296,741자 · 584화면
ダンネベルグ夫人……易介……そうして三度目は?」
そう云って法水は、しばらく相手を正視していたが、真斎の顔は、しだいに朦朧とした絶望の色に包まれていった。法水は続けて、
「それから僕は、その『ゴンザーゴ殺し』の三たびを再び俎上に載せて、今度は反対に、下降して行く曲線として観察したのです。そして、いよいよその一語に、供述の心理を徹頭徹尾支配している、恐ろしい力があるのを確かめることが出来ました。そのために、ポープの『髪盗み』の中で一番道化ている、異常に空想が働き、男自ら妊れるものと信ずるならん――を引き出して、毫も心中策謀のないのを、貴方に仄めかしたのです。ところが、その次句の、処女は壺になったと思い、三たび声を上げて栓を探す――で答えた貴方は、その中に thrice という字があるのをほとんど意識しないかのように、平然としかも、きわめて本格的な朗誦法で口にしているではありませんか。勿論それは、弛緩した心理状態にありがちな盲点現象です。さらに、前後の二つを対比してみると、同じ thrice 一字でも、『ゴンザーゴ殺し』に現われているのと『髪盗み』のそれとでは、心理的影響において、いちじるしい差異があるのを測ることが出来たのでした。