후리가나로 읽는 일본 고전
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こくしかんさつじんじけん
黒死館殺人事件
小栗 虫太郎
小栗 虫太郎의 黒死館殺人事件(こくしかんさつじんじけん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 296,741자 · 584화면
それから、昨日はセレナ様が……、あの方は、この乱咲蘭をたいそうお好みでございまして。ですが、このヤポランジイの葉だけは、仰言られるまでいっこうに気がつきませんでした」
矮樹ヤポランジイの枝に、二つの花が咲いた。すなわち、最も嫌疑の稀薄だった、旗太郎とセレナ夫人にも、一応はファウスト博士の、黒い道士服を想像しなければならず、したがってあの血みどろの行列は、新しい二人を加えることになってしまった。こうして、事件の二日目は、まさに奇矯変態の極致とも云うべき謎の続出で、恐らくその日が、事件中紛糾混乱の絶頂と思われた。のみならず、関係人物の全部が、嫌疑者と目されるに至ったので、その集束がいつの日やら涯しもなく、ただただ犯人の、迷路的頭脳に翻弄されるのみだった。
その二日後――ちょうどその日は黒死館で、年一回の公開演奏会が開催される当日であったが、検事と熊城は、法水の二日にわたる検討の結果を期待して、再び会議を開いた。それが、古めかしい地方裁判所の旧館で、時刻はすでに三時を廻っていた。しかし、その日の法水には、見るからに凄愴な気力が漲っていた。すでに一つの、結論に達したのではないかと思われたほど、顔は微かに熱ばんで、その紅潮には動的なものが顫えている。