후리가나로 읽는 일본 고전
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あまりもの
あまり者
徳永 直
徳永 直의 あまり者(あまりもの)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 8,421자 · 17화면
兵さんは、その頃でも、決して泣かなかった。不思議な位、泣いたことはなかった。一緒に遊んでいた私はすぐ泣き声をあげたが、兵さんは、少々私が無理を言ったり、私と徳市と合同して、兵さんを殴っても、決して泣くようなことはなかった。
しばらくして、お近婆さんは男と一緒に夜逃げしたのだと判った。それは兵さんの家の隣の小屋にいた飴売りの親爺と、かけ落したと言うのだった。勢い、二人の子供は、それぞれ何とかせねばならなかった。そこで兄の徳市は十五歳位になっていたので、町の商店へ奉公に出し、やっと十歳の兵さんは、他家へも出せないので、私の家へ居付くこととなった。
私の家には兄弟が沢山あったので、兵さんは毎日、私の弟や妹の守をさせられていた。口やかましい私の母は、兵さんを随分怒鳴りつけていたのを、私は覚えている。
それでも、決して口答えなぞしなかった。何と言われても、黙って動いていた。ある晩のことだった。みんなで飯を食っていると、しきりに、石油の臭がした。父がやっと発見したら、ランプの油壺に亀裂が入って、そこから石油が、しずくになって洩れていたのだった。ランプの掃除は兵さんの役目だった。