후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
あるふゆのばんのこと
ある冬の晩のこと
小川 未明
小川 未明의 ある冬の晩のこと(あるふゆのばんのこと)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N3. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N3 · 중급 · 신자체·신가나 · 4,140자 · 9화면
」
女は、急に、あたりを見まわしました。そして、だれに向かっていうとなく、
「わたしは、ほかのことを考えていたのよ、あの三味線の音も、唄も、耳に入れてはいやあしなかったわ。」と弁解して、さっさと立ち去ってしまいました。
こんどは星が、先刻から、感心して、唄を聞いている、商人ふうの男に、
「いくらでもいいから、お金をやったらどうだ……さっきから、感心しておまえさんは聞いているではないか。」といいました。
男は、はじめて自分が、そこに立っていることに気づいたというふうに、
「どうして、あの女は目がつぶれたのだろうな。こうして歌っていたって、いくらにもなるまい。俺はあいにく家に財布を忘れてきた……。」と、その男も、自分の良心をごまかしていってしまった。
さすがに、無情の吹く風ですら、人間の心のあさましさにあきれてしまったように、さも腹だたしげに、強く強く吹いて、道の上の砂塵をまいて人間を困らしてやろうとしました。空の星は、なにもかもじっと見て知っているといわぬばかりに輝いていました。
いつしか、夜は、更けていきました。人通りがだんだん少なくなりました。哀れな女の弾く三味線の音は、風に吹き消されて、唄をうたっている声は、空しく星晴れのした空の下にかすれていました。