후리가나로 읽는 일본 고전
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おせん
おせん
邦枝 完二
邦枝 完二의 おせん을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 74,074자 · 148화면
に載せた薬罐からたぎる湯気を、千切れた蟋蟀の片脚のように、頬を引ッつらせながら、夢中で吸い続けていたのは春重であった。
七軒長屋のまん中は縁起がよくないという、人のいやがるそんまん中へ、所帯道具といえば、土竈と七輪と、箸と茶碗に鍋が一つ、膳は師匠の春信から、縁の欠けた根ごろの猫脚をもらったのが、せめて道具らしい顔をしているくらいが関の山。いわばすッてんてんの着のみ着のままで蛆が湧くのも面白かろうと、男やもめの垢だらけの体を運び込んだのが、去年の暮も押し詰って、引摺り餅が向ッ鉢巻で練り歩いていた、廿五日の夜の八つ時だった。
ざっと二年。きのうもきょうもない春重のことながら、二十七のきょうの若さで、女の数は千人近くも知り尽くしたのが自慢なだけに、並大抵のことでは興味が湧かず、師匠の通りに描く美人画なら、いま直ぐにも描ける器用な腕が却って邪間になって、着物なんぞ着た女を描いても、始まらないとの心からであろう。自然の風景を写すほかは、画帳は悉く、裸婦の像に満たされているという変り様だった。
二畳に六畳の二間は、狭いようでも道具がないので、独り住居には広かった。