일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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おせん

おせん

邦枝 完二

邦枝 完二의 おせん을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 74,074자 · 148화면

아오조라 문고

「と、とんでもねえ。お前さんを、こんなところでおろした日にゃ、それこそこちとらァ、二度と再び、江戸じゃ家業が出来やせんや。――そんなにいやなら、垂を揚げるたいわねえから、そうじたばたと動かねえで、おとなしく乗っておくんなせえ。――だが、考げえりゃ考げえるほど、このまま担いでるな、勿体ねえなァ」

駕籠はいま、秋元但馬守の練塀に沿って、蓮の花が妍を競った不忍池畔へと差掛っていた。

三

東叡山寛永寺の山裾に、周囲一里の池を見ることは、開府以来江戸っ子がもつ誇りの一つであったが、わけても雁の訪れを待つまでの、蓮の花が池面に浮き出た初秋の風情は、江戸歌舞伎の荒事と共に、八百八町の老若男女が、得意中の得意とするところであった。

近頃はやり物のひとつになった黄縞格子の薄物に、菊菱の模様のある緋呉羅の帯を締めて、首から胸へ、紅絹の守袋の紐をのぞかせたおせんは、洗い髪に結いあげた島田髷も清々しく、正しく座った膝の上に、両の手を置いたまま、駕籠の中から池のおもてに視線を移した。

夜が明けて、まだ五つには間があるであろう。ひと抱えもあろうと想われる蓮の葉に、置かれた露の玉は、いずれも朝風に揺れて、その足もとに忍び寄るさざ波を、ながし目に見ながら咲いた花の紅が招く尾花のそれとは変った清い姿を、水鏡に映すたわわの風情。