후리가나로 읽는 일본 고전
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おばけずきのいわれしょうしょうとしょじょさく
おばけずきのいわれ少々と処女作
泉 鏡花
泉 鏡花의 おばけずきのいわれ少々と処女作(おばけずきのいわれしょうしょうとしょじょさく)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 4,676자 · 10화면
この大切な品がどんな手落で、遺失粗相などがあるまいものでもないという迷信を生じた。先ず先生から受取った原稿は、これを大事と肌につけて例のポストにやって行く。我が手は原稿と共にポストの投入口に奥深く挿入せられてしばらくは原稿を離れ得ない。やがてようやく稿を離れて封筒はポストの底に落ちる。けれどそれだけでは安心が出来ない。もしか原稿はポストの周囲にでも落ちていないだろうかという危惧は、直ちに次いで我を襲うのである。そうしてどうしても三回、必ずポストを周って見る。それが夜ででもあればだが、真昼中狂気染みた真似をするのであるから、さすがに世間が憚られる、人の見ぬ間を速疾くと思うのでその気苦労は一方ならなかった。かくてともかくにポストの三めぐりが済むとなお今一度と慥めるために、ポストの方を振り返って見る。即ちこれ程の手数を経なければ、自分は到底安心することが出来なかったのである。
しかるにある時この醜態を先生に発見せられ、一喝「お前はなぜそんな見苦しい事をする。」と怒鳴られたので、原稿投函上の迷信は一時に消失してしまった。蓋し自分が絶対の信用を捧ぐる先生の一喝は、この場合なお観音力の現前せるに外ならぬのである。