일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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おれのにょうぼう

おれの女房

山本 周五郎

山本 周五郎의 おれの女房(おれのにょうぼう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 23,296자 · 46화면

아오조라 문고

又五郎はふと眼をあげた。

枯れた草原のすぐ向うに、江戸川がゆるやかにうねって流れている。枝の裸になった櫟の疎林が、はがね色の冷たそうな水面に、寂かな影をおとしている。――林の脇には葉の白茶けた竹籔があり、その向うの畑で、一人の百姓が黙って、疲れたような動作で、悠くりと畑の土を返しているのが見えた。

「――だめだ、あの絵もいけない」

彼はこう呟いて頭を振った。

阿波屋加平だけは今でも、さすがに以前ほどおうようではないけれど、とにかく絵を注文して呉れるし、のっぴきならぬ場合には、幾らかの融通もして呉れる。彼はその阿波屋の依頼で、半年まえから大幅にかかっていた。

それはいま彼が眼の前に見ている江戸川と、その迂曲する川に沿った林野における、遊楽や農耕や労働などのそれぞれの人間生活を描いたものだ。

その構想は彼にとっては大きな意味をもっていた。そこには新しい今後の道がある、その絵が望むように描けたらこんどこそ彼は本気で仕事にかかれるだろう。

「――だがいけない、あれはなにかぬけている、なにかが足りない、裂いてしまおう」

又五郎は苦しげに呟いた。写生をもとにして構図を練るのに五十日あまり、それから白描だけでも十四、五枚やった。