일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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おせいとうじょう

お勢登場

江戸川 乱歩

江戸川 乱歩의 お勢登場(おせいとうじょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 11,784자 · 24화면

아오조라 문고

グッと押えつけて、再び掛け金をかけて了った。その時、中から格太郎が、多分それが精一杯であったのだろう、併しおせいの感じでは、ごく弱々しい力で、持ち上げる手ごたえがあった。それを押しつぶす様に、彼女は蓋を閉じて了ったのだ。後に至って、無慙な夫殺しのことを思い出す度毎に、最もおせいを悩ましたのは、外の何事よりも、この長持を閉じた時の、夫の弱々しい手ごたえの記憶だった。彼女にとっては、それが血みどろでもがき廻る断末魔の光景などよりは、幾層倍も恐しいものに思われたことである。

それは兎も角、長持を元々通りにすると、ピッシャリと板戸を閉めて、彼女は大急ぎで自分の部屋に帰った。そして、流石に着換えをする程の大胆さはなく、真青になって、箪笥の前に坐ると、隣の部屋からの物音を消す為でもある様に、用もない箪笥の抽出を、開けたり閉めたりするのだった。

「こんなことをして、果して自分の身が安全かしら」

それが物狂わしいまで気に懸った。でも、その際ゆっくり考えて見る余裕などあろう筈もなく、ある場合には、物を思うことすら、どんなに不可能だかということを痛感しながら、立ったり坐ったりするばかりであった。