후리가나로 읽는 일본 고전
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おこしょうこたろう
お小姓児太郎
室生 犀星
室生 犀星의 お小姓児太郎(おこしょうこたろう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N1. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N1 · 고급 · 신자체·신가나 · 7,011자 · 14화면
二
「嫉妬の情は人間にあるものだ。そちもそれに駆られて居るのだろう、包まず言うたらよいぞ。」
「いえ、そのようなことは御座いません。」
「では予をそちは思わぬのか。」
児太郎は、また嚇として睨まえた。弥吉はどう言っていいか分らなかった。どう言っても歪げられて了うのが何時もの言葉癖ゆえ、黙ってうつ向いた。そして低い声で、うつ向いたまま答えた。
「左様なことはございません。御主人様を束の間も忘れたことはございません。」
児太郎は、それきり奥の間へ黙って這入ってしまった。弥吉はぼんやり坐って、このごろは唯呵責と折檻よりしか児太郎から受けない彼は、なおそこから脱け切れない自分を自分で呪うていた。ときには思い切って屋敷をぬけ出そうと心構えしても、やはり未練があった。そう言っても、これ以上勤めることは彼にとって日夜耐えがたい苦痛であったのである。弥吉は、檻詰めにされた優しいけだもののように、馴れるに従って卑屈になっていた。
二
夏が過ぎ、水の澄み工合がきまると、町の諸方から刀研師が呼び出され、腰の物お手入れが始まりかけていた。児太郎の屋敷でも、あぶら引きを済ましておさめられた刀剣類のなかに、児太郎は、主馬寮にいる父親がするように、十八歳のかれにしては老人くさいような坐り方をして、焼きと光とから玉走る刃がしらの匂いをかいでいた。