후리가나로 읽는 일본 고전
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かやのおいたち
かやの生立
岡本 かの子
岡本 かの子의 かやの生立(かやのおいたち)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 12,632자 · 25화면
などと書かれた部厚な帳簿が山の様に積み上げられて、片隅に球の大粒な算盤が一ついつも添えられて居るのであった。厚い綿八端の座蒲団が机の前と兼帯になる様な具合に敷いてあって、樫縁の巌丈な長火鉢が、お爺さんを前に、大きな真鍮の湯沸を太い鉄の五徳の上にかけられてこの座敷の中心の様に構えて居る。お爺さんは座蒲団の上に真四角に坐って朝飯を喰べて居た。
「かやはどこに居たのか」
と、お爺さんが厚いべっこう縁の眼鏡の下から、底光りのする眼をじっとかやの方へ据えると、太く揃った真白な眉と眉の間に深い皺が二筋ほどありありと表われた。かやはまた叱られるのではないかと思って、びくりとした。
色々な野菜の煮たのなどが沢山載ったお爺さんの脚の高いお膳に並んで、薄べったい糸目のお膳のお媼さんのが今朝は無くて、お爺さんと反対の側のお媼さんの長火鉢の前の席には、いつもお媼さんが吸う刻み煙草のふわふわ盛ってある、栗の実の肌の様な、すべすべの丸い小さなくりぬき細工の煙草入れが一つぽつねんとして居るのが、かやには何となく淋しく眺められた。かやは、長火鉢からは少し離れた、次の間への障子際の、木目の新らしい桑の火鉢に、一ぱい火の盛られてある側で、赤いお箸や赤いお膳や、凡て赤づくしの器で、婆やと一しょに黙ってご飯をたべた。