후리가나로 읽는 일본 고전
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さぶ
さぶ
山本 周五郎
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N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 210,521자 · 415화면
烈風は水しぶきをともなっていて、みんなの顔や手へ痛いほど叩きつけた。
「雨じゃねえ、こいつは海の水だ」と誰かがどなった、「みろよ、塩っかれえぞ」
角柱が動き、丸太の梃子にとりついていた三人が転びそうになった。栄二は角柱を押しやり、その下の板きれを掻きのけながら、大丈夫か、どっちだ、と呼びかけた。
「ここだ、早くしてくれ」と板きれの下から返辞が聞えた、「早く頼む、溺れそうだ」
そう云われて気がつくと、水はもう膝まできていた。いそげ、と万吉がどなり、四人は夢中で板きれや桟の折れなどを取りのけた。赤鬼の松田が水をはねとばしながらやって来て、なにをしているくそ野郎、集まれというのが聞えないのか、と喚きたてた。さっきからよほど喚いたりどなりつけたりしたのだろう、その声はすっかりしゃがれて、風邪をひいたでろれん左衛門のように聞えた。
「人がつぶされてるんだ」と栄二がどなり返した、「手伝ってくれ」
「よりによってこんなときにつぶされるなんて」と松田は毒づいた、「よっぽどうすのろのかぼちゃ野郎のでくの坊だな、誰だ」
毒づきながらも進んで手伝い、どうやら男を救い出した。