후리가나로 읽는 일본 고전
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さぶ
さぶ
山本 周五郎
山本 周五郎의 さぶ을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 210,521자 · 415화면
「おまえ」と岡安は囁き声で、さぐるように云った、「なにか困ったことでもできたのか」
栄二は胸をうたれた。顔を見るなり、そう問いかけるのは、心から自分のことを案じていたからであろう。栄二は眼の裏が熱くなるのを感じながら、そうではないと首を振り、両手を突いて挨拶をした。
「じつはようやく仕事にありついたので、よろこんでいただこうと思って伺いました」栄二は頭をあげて云った、「江戸ではなく、――田舎から頼まれた出仕事なんですが、これがうまくあがれば、店をやってゆく手掛りがつくと思うんです」
「よかった、それはよかった」岡安はほっとしたように緊張した表情をゆるめた、「それはなによりの知らせだ、そうそう、祝言のようすは松田から聞いたよ、いい女房を貰い当てたそうだな」
岡安喜兵衛の態度は、そこでにわかにうわのそらになり、栄二の話をしんみになって聞く気持がなくなったようであった。推察するまでもなく、彼の関心は新しく来た人足のほうに向いているのだ。もしも栄二に困ったことがあって来たのなら、彼はどんなにでも相談にのったことだろう。だが栄二は寄場から出ていった者であり、仕事にもとりついたという。