후리가나로 읽는 일본 고전
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そのとし
その年
宮本 百合子
宮本 百合子의 その年(そのとし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 13,964자 · 28화면
「この辺もそろそろ躍進地帯になって来よった」
その晩お茂登は、昼間の驚きが諧謔に変ったような笑い顔で、
「路が出来たら、裏表へタバコの看板かけるか」
と笑った。ここの家はそうだが、土地はお茂登一家の所有ではないのであった。
広治は、すこし眼をしばたたくようにしてあぐらの膝をゆすりながら母親の顔を見ていたが、さり気なく、
「大原を出た車は皆この辺ビュービュー飛ばすで」
と、自身の覚えから云った。
「丁度調子が出て来るころだから」
「タバコ買いにも停めんか」
「下市までは飛ばすなあ」
下市は、二つ先のやや大きい村である。お茂登は、時々自転車の灯が掠めて通る店のガラス戸の方と古びた雨戸をたてた裏とをやや暫く仔細に見くらべるようにしていた。
「そうなれば、この家も奥がないようになる。――おり場もないようなもんだ」
留守の寂しさをもって行く筈のこの家にしてからが、息子二人のかえる迄にはどんな模様に変るか分らない。お茂登はそのことを強く感じた。それにまた、二人がきっと還って来ると、誰がその証拠を示しただろう。
この考えにゆき当ると、お茂登の胸は息子たちへの一層深く、生々しい憐憫でふるえるようになった。