후리가나로 읽는 일본 고전
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そのきどをとおって
その木戸を通って
山本 周五郎
山本 周五郎의 その木戸を通って(そのきどをとおって)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 22,448자 · 44화면
二
正四郎が監査役になってからあしかけ三年、去年も石垣町の梅ノ井で酒宴があり、彼は江戸仕込みの蘊蓄のほどをみせて喝采を博した。今年は勘定奉行が交代して、村田六兵衛という老人になった。偏屈で有名な人物だと聞いていたし、今日はそれどころではないので、正四郎はきっぱりと断わった。
「だめですって」と野上は訊き返した、「どうしてですか」
「どうしてとはなんだ」正四郎は思わず高い声になった、「理由を云わなければいけないのか」
野上平馬は口をあき、なにやら云い訳めいたことを呟きながら、いそいで去った。
監査役の元締は次席家老沢田孝之進で、監査に当るのは十人、平松正四郎はその支配であった。すっかり終ったのが午後五時、沢田老職に報告を済ませると、正四郎はまっすぐに堰端の家へ帰った。
二
田原権右衛門の云ったとおり、家にはその娘がいた。正四郎は娘に会うまえに、まず家扶の吉塚助十郎から仔細を聞いた。
「一昨々日の午まえでございました」と吉塚は話しだした、「玄関の内村がまいりまして、旦那さまに会いたいと、若い婦人が訪ねてみえたと申しますので、私はどきりと致しました」
三人の家士や小者、召使たちはこの城下の者だが、吉塚助十郎とその妻のむらは江戸から伴れて来た。