일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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あわもりものがたり

『たぬき汁』以後

佐藤 垢石

佐藤 垢石의 『たぬき汁』以後(あわもりものがたり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 118,470자 · 244화면

아오조라 문고

一度、父母の顔を見に帰ることにきめた。ごとごとと汽車が走った。桶川駅を過ぎたあたりまでくると、汽車の窓から一心に西北の空を眺める私の眼に、赤城と榛名の低く淡く地平線に横たわる容が映るのであった。私は、瞳を凝した。頭がうっとりした。

恰も、冬の夜に、甘酒を一杯頂戴して、からだに温もりを覚えたほどの、想いを催したのである。私は、利根川の西岸上野国東村大字上新田に生まれ育った。よちよち歩く頃から東の田圃へ出れば赤城山、西の田圃へ出れば榛名山、北方の空に春がきても夏がきても四季の朝夕楽しき折りも、悲しき折りも、この二つの山の温容を眺めながら育ってきた。

二つの山は、私に取って豊艶な母の乳房にも譬うのである。赤城は右の乳房。榛名は左の乳房。いま、私のまぶたの裏に、故郷の乳房が映ったのだ、泪が漂う。

身も心も、大自然に溶け込んでしまいたい想いだ。山の懐ろへ抱かれて、すやすや眠りたい想いだ。汽車の窓にうっとりとしているわが胸に幼き腕に笊を抱えて、田圃の小川に小鮒を漁った頃から、ついこの初夏に同盟休校をやって、校門を突き出されるまでの、さまざまの想い出が風景映画のように、区切りもなく影を描いてゆく。