후리가나로 읽는 일본 고전
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つゆのあとさき
つゆのあとさき
永井 荷風
永井 荷風의 つゆのあとさき을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 74,725자 · 148화면
一週間ばかりの後、鶴子は夕方神戸急行の列車に乗った。始め進の友人間には送別会を催すようなはなしが起らないでもなかったが、鶴子は実家へ対して新聞などに自分の名の出るような事はなるべく避けたいからといって固く辞退したので、その夕東京駅まで見送りに行ったものは、良人の進と門生の村岡と、書生の野口という男の外には、鶴子の学友でいずれも相応のところへ嫁しているらしい婦人二、三人だけであった。実兄は窃に旅費を贈ってもいいといったほど好意を持っていたが、世間を憚って見送りに行かず、世田ヶ谷の老人もまた頽齢をいいわけにして出て来なかった。
列車が出発すると、進を始め男二人と婦人たちとは自然別々になってプラットフォームを降口の方へと歩みはじめたが、村岡一人はいつまでも帽子を片手に列車の行衛を見送ったまま立っている。進は見返りながら、
「おい。村岡。何をぼんやりしているのだ。」
「実にさびしい出発でしたな。」と村岡は既に人影のなくなったプラットフォームを見廻しながら初めて歩み出した。
「彼の女の生活もこれで第一篇の終を告げたのだ。」と進は吸いかけの巻煙草を線路の方へ投捨てた。