후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
とむらいきかんしゃ
とむらい機関車
大阪 圭吉
大阪 圭吉의 とむらい機関車(とむらいきかんしゃ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 186,729자 · 371화면
「他でもないが、午後の公判が始ったら、判検事席の後ろの扉を一寸開けて、この写真機で、人に知られないようにパチッと公判廷を撮してくれ。なに訳なく出来るよ。もうちゃんと仕掛けてあるんだから。是非頼む……」
いや、どうも大変なことを頼まれたもんです。第一こちとらア、写真を撮したことなぞないんですからね……それに、だいたい公判廷なぞ写真にとって、一体どうしようってんでしょう? 全く妙ですよ。いやしかし、そう云う菱沼さんも、なんのことやらろくに判りもしないで頼んでるんですから、気の毒みたいなもんで……それに、こう見えたって私も江戸ッ子でさア、虫のいどころによっちゃアどんなことでも引受けかねない気性ですから、
「よござんす」思い切って引受けましたよ。
さアそれからいよいよ午後の公判です。ところが……全く、運がいいと云うもんですよ。裁判長が眼鏡を忘れて入廷したんです。で早速そいつを届けに判検事席へ上ったんですが、引ッ返す戸口のところで、こう向うの低いところにいる菱沼さんの方へ向けて、例のものを抜らずパチッとやらかし、そしてそのパチッて音をまぎらすようにバタンと扉を締めたんですが、なんだかパチッて音のほうがひどく耳に残って、思わず冷汗をかきましたよ……しかし大丈夫でした。