후리가나로 읽는 일본 고전
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とむらいきかんしゃ
とむらい機関車
大阪 圭吉
大阪 圭吉의 とむらい機関車(とむらいきかんしゃ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 186,729자 · 371화면
動かぬ鯨群
一
「どかんと一発撃てば、それでもう、三十円丸儲けさ」
いつでも酔って来るとその女は、そう云ってマドロス達を相手に、死んだ夫の話をはじめる。捕鯨船北海丸の砲手で、小森安吉と云うのが、その夫の名前だった。成る程女の云うように、生きている頃は、一発銛を撃ち込む度に、余分な賞与にありついていた。が、一年程前に時化に会って、北海丸の沈没と共に行衛が知れなくなると、女は、僅かばかりの残された金を、直ぐに使い果して、港の酒場で働くようになっていた。砲手は、捕鯨船では高級な船員だった。だから雑夫達と違って、ささやかながらも一家を支えて行くことが出来た。夫婦の間には、子供が一人あった。女は愚痴話をしながら、家に残して来たその子供のことを思い浮べると、酔も醒めたように、ふと押黙って溜息をつく。
最初のうちは、夢のように信じられなかった夫の死も、半歳一年と日がたつにつれ、追々ハッキリした意識となって、いまはもう、子供のためにこうして働きながら、酔ったまぎれに法螺とも愚痴ともつかぬ昔話をするのが、せめてもの楽みになっているのだった。
北海丸と云うのは、二百噸足らずのノルウェー式捕鯨船で、小さな合名組織の岩倉捕鯨会社に属していた。