후리가나로 읽는 일본 고전
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とむらいきかんしゃ
とむらい機関車
大阪 圭吉
大阪 圭吉의 とむらい機関車(とむらいきかんしゃ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 186,729자 · 371화면
鳥喰崎に近附いたのだ。進むにつれて右舷の海中へ、身を曲ねらして躍り出た巨大な怪獣のような鳥喰崎の全貌が、大きくのしかかるように迫り寄る。すると、その出鼻を越して私達の視野の中へ、鏡のような内湾が静かに横わって来た。船は緩やかにその内湾の入口に差し掛る。間もなく私達は、無気味な吹溜りを擁していると云う小さな鉤形の岬を曲り始めた。内湾を左に見て段々私達がその岬を折れ曲るに従い、鳥喰崎の陰鬱な裏側が見え出して来た。確かにそれは陰鬱だった。
水際には少しも岩がなく、それかと云って、何処の浜にでもある砂地とても殆んどなく、一面に黒光りのする岩のような粘土質の岸の処々に、葦に似た禾本科の植物類が丈深く密生して、多少凸凹のある岸の平地から後方鳥喰崎の丘にかけて、棘のような細かい雑草や、ひねくれた灌木だの赤味を帯びた羊歯類の植物だのが、遠慮なく繁茂している。そしてその上方には、原始的な喬木の類が重苦しいまでに覆い重なっている。船がこの陰気な小さい入江にはいると、不思議に風がなくなってしまった。少しの横揺れもしない白鮫号は、惰性の力で滑るように動いている。恰度この時、いままで海面にギラギラ反射しながら照りつけていた太陽の光りが、深い雲の影に遮られると、急に辺りが暗く、だが気味悪いほどハッキリして来た。