후리가나로 읽는 일본 고전
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わがまち
わが町
織田 作之助
織田 作之助의 わが町(わがまち)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 25,869자 · 52화면
坂道とありゃこそ、俥に乗ってくれる人もあんのや。」
と、きかず、よちよち「人間はからだを責めて働かな嘘や」という想いを走らせている他吉の気持は、君枝にはうなずけたが、しかし、その姿を見れば、やはりちくちく胸が痛み、「私に甲斐性がないさかい、お祖父ちゃんも働かんならんのや」と、この想いの方が強く来て、君枝はもう金のことにも無関心で居れず、慾が出た。けれど、
「あんたの器量なら、何もこんなことをせんでも、ほかにもっと金のとれる仕事がおまっしゃろ。」
という誘いには、さすがに君枝は乗る気はせず、やはり消毒液の勧誘の成績をあげて特別手当をいくらかでも余計貰うよりほかはないと、白粉つけぬ顔に汗を流して、あと一里の道に日が暮れても、歩くのだった。近所の人がもちかける結婚の話など耳も傾けなかった。自分が嫁入ってしまえば、祖父はどうなるかと、眼を三角にした。
ところが、一年ばかり経つと、商会がつぶれてしまった。君枝は致し方なく、新聞の三行広告を見て、タクシーの案内嬢に雇われた。難波駅の駐車場へ出張して、雨の日も傘さして、ここでも一日立ちづくめの仕事だった。
間もなく、誰が考えついたのか、同一方面の客を割勘定で一ツ車に詰め込めば、客も順番をまつ時間がすくなく、賃金も安くつくという、いかにも大阪らしく実用的な合乗制が出来たので