후리가나로 읽는 일본 고전
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アランとう
アラン島
片山 広子
片山 広子의 アラン島(アランとう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 2,350자 · 5화면
満足な舟着場もなく、白波が高くたかく寄せてくる砂の上から数人の男たちが舟を出す景。怒濤をくぐつて舟を漕ぎ出すとき、舟は小山のやうな浪の中に時々かくれて又現はれる、漕手は恐れげもなく愉しさうに漕いでだんだん遠く出て行く景。すさまじい暴風の中で岩だらけの海べりに集つて来て、昨日から帰つて来ない幾つかの舟を心配してゐる大勢の女や老人子供たち。体がふるへるやうなスリルと、時たまの休息のやうな静かな明るい景。この映画には一つの物語もなく恋愛もなく、ただアラン島のまづしさと、荒い自然と闘ひつづける島びとの勇敢さと、それだけで充分にたのしかつた。私はもう一度あの古い映画を見られるものなら、見たいと思ふ。
大洋のなかに置き忘れられたやうなアラン島を有名にしたその映画はすばらしかつたが、それよりも前にアラン島を紹介した人を忘れてはすまない。それは「アラン島」の紀行を書いたアイルランドの作家ジヨン・シングである。
シングがアラン島に行つたのは一八九八年ごろであつたらうか。彼が文学に志して、優美な詩を書いたり古典の翻訳をしたりして勉強してゐたパリの生活を打切つて、あらゆる文明からきり離された島に渡つて、殆ど原始人に近い素朴な島びとの生活の中に詩をもとめたのは、パリで初めて会つたアイルランドの詩人イエーツの誘ひがあつたからである