일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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アンゴウ

アンゴウ

坂口 安吾

坂口 安吾의 アンゴウ을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 11,249자 · 23화면

아오조라 문고

けれどもチラと見たゞけよ。私たちは夢中で駈けたの。あのときは、でも、私の目は、まだ、見えたのよ。空ぜんたい、すん分の隙もなく真赤に燃えていたわ。そうなのよ。ゆれながら、こっちへ流れてくるようにね、ぜんたいの火の空が」

火の空をうつしたまゝ、タカ子の目は永遠にとざされ、もしや、今も尚タカ子の目には火の空だけが焼き映されているのではないかと矢島は思った。その哀切にたえがたい思いであった。

真実の火花に目を焼いて倒れるまでの一生の遺恨を思いださせる残酷を敢てしてまで、埋もれた過去の秘密をつきとめることが正義にかなっているかどうか、矢島はひそかにわが胸に問うた。彼の答のきまらぬうちに、タカ子の言葉はつづいた。

「私は臆病だから、恐怖に顛倒して、それからのことはハッキリ覚えがないのよ。三度ぐらいは、たしか往復したはずよ。食糧とフトンと、そんなものを運んだと思っているけど、あの時は、まだ、目が見えていたのだけれどね、目に何を見たか、それが分らなくなっているの。私が最後に見たものは、物ではなくて、音だったのよ。音と同時に閃光が、それが最後よ。ねえ、私はあの晩、子供たちに身支度をさせたの、手をひいて走って、防空壕にかたまって身をすりよせて、そのくせ、私は子供の姿を見ていない。