일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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オリンポスのかじつ

オリンポスの果実

田中 英光

田中 英光의 オリンポスの果実(オリンポスのかじつ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 75,277자 · 147화면

아오조라 문고

二十一

と吃驚したように問い返してから、「いや、ぼくは左翼は嫌いだから――」と歪んだ笑いかたをしました。

ぼくはなんだか、その青年にニヒリズムを感じて、寂しく、そして、それが米国最後のいちばん強い印象となりました。

二十一

行きは、よいよい帰りは恐い、と子供の頃うたう童謡があります。あの歌のように人生、行きと帰りとではずいぶん気持が違うものです。再び、サンピイドロの港、春洋丸の甲板で、見送りに来てくれた在留邦人の方々がうち振る日の丸の、小旗の波と五色のテエプの雨を眺めながら、ぼくはなんともいえぬ佗しさでした。

勝って還る人達はとにかく元気でした。陸上の東田良平が、大きな亀の子を二匹、記念に貰い頸に紐をつけ、朗らかに引張って歩いているのが目立っていました。アメリカ人に、「Mayachita, Mayachita」と呼ばれて人気のある水泳の宮下も、船橋の上で手を打ちふりながら、いつ迄も熱狂的な歓送に応えていました。負けて還るほうは、拳闘の某氏のように責任を感じて丸坊主になったひともいましたが、やはり気恥かしさや僻みもあり張り詰めた気も一遍に折れた、がっかりさで、ぼくは雑沓するスモオキング・ルウムの片隅にしょんぼり腰を降ろしていたのです。