후리가나로 읽는 일본 고전
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シナーニしょてんのベンチ
シナーニ書店のベンチ
宮本 百合子
宮本 百合子의 シナーニ書店のベンチ(シナーニしょてんのベンチ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 7,387자 · 15화면
今年のシーズンにチェホフの作は一つも上演されなかった。或る人は、いつか「叔父ワーニャ」を、芸術座で演る筈だと云う。或る人は、いやそれはしないが、桜の園は確定したそうだと云う。私共は何時、何処で、チェホフの何が観られるものか、全然知ることができなかったのであった。
切符売場には、既に幾条も前売切符を買うための人列がうねくっていた。切符はどちらかといえばたかい。二月十三日は私の誕生日なので、私の道伴れは奮発して平土間の第八列目を買った。
上靴の中で足が痛いほど寒かった。街はますます白く、ますます平べったかった。モスクワ労働新聞社の高い窓の一つに午後三時の西日がさして、火のように硝子を燃やした。
大劇場は、ふだんアイダや、サロメや、ボリス・ゴドノフを上演するところだ。月曜日にオペラの俳優達は、彼等の喉を休ませる。そこへ、今日は、モスクワでは珍しい日本女まで混えた大群集が六階の天辺のバルコニーまで、チェホフの「桜の園」を観ようとつめかけた。
棧敷の内張も暗紅色、幾百の座席も暗紅色。その上すべての繰形に金が塗ってあるからけばけばしい、重いバルコニーの迫持の間にあって、重り合った群集の顔は暗紅色の前に蒼ざめ、奥へひっこみ、ドミエ風に暗い。