후리가나로 읽는 일본 고전
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スウィスにっき
スウィス日記
辻村 伊助
辻村 伊助의 スウィス日記(スウィスにっき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 216,275자 · 410화면
そうこうするうちに、午前正十一時、降りしきる雨の中を停車場をはなれて、だらだら路を、村の方へ一行五人歩き初めた。両側のホテルから、大勢首を出して見送っている。
宿は避暑客で、殆んど満員と云うくらい、雨で往来は静かだが、名物の木彫りや、絵はがきを並べた店先きには、ちらほら人だかりもして、昼飯の仕度をしていたらしいウェイターが、セルヴィエットを手にもったまま、窓からガイドに、行く先きを聞くのも、山よりの村らしくて面白い。一行はこれ等の眼に迎え送られて、ホテル・ベーヤの角を右に曲る。路は牧場の柵の間を、だらだらに下りて、もう小さな実を結んだ、果物の木の下をくねくね折り曲って、ルュチーネの流れに出る、川幅はやっと三、四間で、小橋の向うからすぐ、メッテンベルクの麓が、急な傾斜になって、それと右側に逆か落しになった、アイガーの直下、ウンテル・グリンデルウェルデル・グレッチェル Unter Grindelw※(ダイエレシス付きA小文字)lder Gletscher の霧の下から、水色に氷塔の現われた、頭の上を目がけて、千鳥がけの細道を辿ると、雨はますますひどくなって、つるつる滑る岩角を、一足ごとに踏みしめて行く、荷は相応に肩をひいて、びっしょり濡れた頬を撫でる、岳おろしが冷や冷やと気もちがいい。