후리가나로 읽는 일본 고전
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スウィスにっき
スウィス日記
辻村 伊助
辻村 伊助의 スウィス日記(スウィスにっき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 216,275자 · 410화면
この意味に於て、アルプスの天地に国家をきずきあげたヘルフェツィアを私は心から愛する。彼女の後裔には、アルプの雪にかこまれて幾百年を送って来たスウィス民族には、その胸底に私達と共鳴する何ものかを蔵していなければならない。
彼等がうたうヨーデルを聴け、何れの歌章にも山を讃美しているではないか。彼等の中に一人でも山を愛さないものがあるだろうか――気の毒なことには無いと云い切ることは出来ない――白痴や狂人がそれだ、これ等の気の毒な人達は我国の多数の人と同様に山を知らずに死んで行くのだ。然しノルマルな人間なら女子供でも、山を去ることの苦痛を知って居る、或いは時に、それを明らかに意識していないかも知れない、然しこころみに彼等を山岳から引き離して見るがいい、その時初めて、秘露のインカ族を山地から追い下した白人のように、どんな罪を彼等に対して犯したかが分るだろう。郷愁は山岳国民の通性である。郷愁を主題としたスウィスの民謡を聞いて、あのやるせない曲に涙を落さないものは、山に縁の遠い人間だ、スウィス国民の中の狂人か白痴に等しい部類だ、冷静に観察すればどこにか欠けている或るものを見出す、そしてそれを感ぜずに生きてゆかねばならぬ彼等の運命に同情するようになる。