후리가나로 읽는 일본 고전
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ドグラ・マグラ
ドグラ・マグラ
夢野 久作
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N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 424,847자 · 824화면
その前に突立っている呉一郎も、最初の場面の通りに微笑を含んで、両手をうしろに廻したまま、老人の打ち振る鍬の上げ下しを一心に見守っているが、僅か一箇月ほど経過した間にスッカリ色が白くなって、肉が丸々と付いているのは、その間じゅう穴掘りの労働を中止して、自分の室……第七号室に閉じ籠っていたからであろう。
その背後から正木博士がニコニコしながら近付いて来て、やおら肩の上に手を置くと、呉一郎はハッとしたように振り返った。
「……どうだい……久し振りに出て来たじゃないか。スッカリ色が白くなって……おまけに肥って」
「……ハイ……」
と呉一郎も相変らずニコニコしながら、又も鍬の上り下りを見守り初める。
「何をしているんだね。ここで……」
と正木博士はその顔を覗き込むようにして尋ねた。……と、呉一郎は鍬に眼を注いだまま静かに答えた。
「……あの人の畠打ちを見ているのです」
「フーム。だいぶ意識がハッキリして来たな」
と正木博士は独言のように云いつつ、その横顔を見上げ見下していたが、やがて心持ち語勢を強めて云った。
「……そうじゃあるまい。あの鍬が借りたいのだろう」
この言葉が終らぬうちに一郎の頬がサッと白くなった。