후리가나로 읽는 일본 고전
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パノラマとうきだん
パノラマ島綺譚
江戸川 乱歩
江戸川 乱歩의 パノラマ島綺譚(パノラマとうきだん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 78,920자 · 153화면
振向けば、巨大なる舟型を為した谿谷が、真黒な口を開き、その憂鬱な断崖の底には、今彼等を運んで呉れた二羽の白鳥が、真白な紙屑の様に浮んでいるのが、心細く眺められます。そして、行手は又しても、陰湿なる暗闇の森です。その二つの特異な風景の間を区切る、この僅かの芝生は、晩春の午後の日ざしを一杯に受けて、赤々と燃え立ち、陽炎にゆらぐ芝草の上を、白い蝶が低く飛びこうています。千代子はその奇異なる対象に、ある不自然の美しさという様なものを感じないではいられませんでした。
見渡す限り果知らぬ老杉の大森林は、むら雲のモクモクと湧上る形で、枝に枝を交え、葉に葉を重ね、日向は黄色に輝き、蔭は深海の水の様にドス黒く淀んで、それが不思議なだんだら模様を現わしています。そして、この森の物凄さは、芝生に立ってじっとその全形を見渡している間に、徐々に見る者の心に湧上って来る、ある異様な、感情でありました。その様な感情を起させるものは、空を覆ってのしかかって来る様な、森の雄大さにもありましょう。或は又萌え立つ若葉から発散する、あの圧倒的な獣物の香気にもありましょう。併しその外に、注意深い観察者は、森全体に加えられた悪魔の作為ともいうべきものを、遂には悟るに相違ありません。