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マクシム・ゴーリキイについて
マクシム・ゴーリキイについて
宮本 百合子
宮本 百合子의 マクシム・ゴーリキイについて을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 2,308자 · 5화면
ゴーリキイが処女作「マカール・チュードラ」を発表して、作家として見事な出発をしたのは二十四歳の年でした。当時、帝政ロシアの文壇にはトルストイ、ツルゲネフ、アンドレーエフ、チェホフなどという世界の文学の花形が居ました。しかし、ゴーリキイの出現はロシアの文学にとってのみならず、当時の世界文学にとって一つの新しいおどろきとよろこびでした。何故なら、トルストイを見てもわかるようにこれまで作家と云えば上流の子弟で、十分教育もうけた人ばかりでした。が、ゴーリキイは小学校を卒業していないばかりか、大学は勿論中学も出ていません。一カペイキの借本をよんで育った、逞しい正直な鋭い精神をもった、謂わば浮浪人の若者です。そのゴーリキイは、これまでの世界文学の知らなかった現実生活の一面を、つよい、生活力のあふれる筆致で描きはじめました。靴やの小僧、製図見習、聖画工場の見習。ヴォルガ通いの汽船の皿洗い小僧。ゴーリキイは二十四歳になる迄に、更にパン焼職人であり、カスピ海の漁業労働者であり、踏切番であり、弁護士の書記でありました。これらの生活の間でゴーリキイの見聞きしたものはどういうものだったでしょう。