후리가나로 읽는 일본 고전
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マダムさだやっこ
マダム貞奴
長谷川 時雨
長谷川 時雨의 マダム貞奴(マダムさだやっこ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 26,999자 · 53화면
とはいえ当年の面影はなく、つい少時前舞台で見た艶麗優雅さは、衣装や鬘とともに取片附けられてしまって、やや権高い令夫人ぶりであった。この女にはこういう一面があるのだなと、わたしはちょっと気持ちがハグらかされた。
わたしはそのほかに貞奴の外出姿を幾度も見かけた。多くは黒紋附きの羽織をきているが、彼女はやっぱり異国的のおつくりの方が遥かに美しかった。ある時国府津行の一等車に乗ったおりは純白なショールを深々と豊かにかけていたのが顔を引立て見せた。内幸町で見かけた時は腕車の膝かけの上まで、長い緑色のを垂らしてかけていたが、それも大層落附いていた。
二度目に新富座へ招かれていった時に、俳優としてあけっぱなしの彼女に、はじめて逢ったのであった。そのおりは、新派の喜多村と一座をしていた。喜多村は泉鏡花氏作「滝の白糸」の、白糸という水芸の太夫になっていた。貞奴はその妹分の優しい、初々しい大丸髷の若いお嫁さんの役で、可憐な、本当に素の貞奴の、廿代を思わせる面差しをしていた。そのおりの中幕に、喜多村が新しい演出ぶりを試みた、たしか『白樺』掲載の、武者小路実篤氏の一幕ものであったかと思う。