후리가나로 읽는 일본 고전
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ヤミろんご
ヤミ論語
坂口 安吾의 ヤミ論語(ヤミろんご)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 18,308자 · 36화면
昔は一家の中で悪意を起す誰かがあれば、誰かしら理性の抵抗を起すはずだ。今はそれがない。
私は帝銀事件の犯人などにも、同様な家族的掩護があるのじゃないかと考える。たとえば五十年営々と零細な貯蓄をして老後の安穏を願っていた人とか、親ゆずりの多少の家産でともかく今日まで平和であった平凡な家庭などで、虎の子を戦火にやかれる、肉親の誰かを戦野で失う、政治を呪い世を呪う事々の呟きが次第に一家の雰囲気をつくり、性格をつくって行くのである。
そのうちに、女学校を卒業した娘たちは、親の昔の夢想では平和な結婚生活に入るべきものを、それもかなわずダンサーなどにならざるを得なくなる。そして男と泊り歩くようになる。せっかく大学へあげ末を楽しみにしていた息子も学費がつづかずヤミ屋なぞをやって、遊興を覚える。お父さんもゴロゴロねてばっかりいて娘や息子を食い物にしないで、ゼイタクがしたかったら、自分も稼いだらどう。強盗でも人殺しでも、なんでも、いいじゃないの。どうせヤブレカブレの世の中じゃないか。
こうして一家の雰囲気が犯罪に同化し、やがて、事もなく犯罪そのものとなって行く。戦争さえなかったなら平凡に終った筈の一家が思いもよらぬ犯罪へ傾いて行く。