후리가나로 읽는 일본 고전
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ラしのふえ
ラ氏の笛
松永 延造
松永 延造의 ラ氏の笛(ラしのふえ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 8,706자 · 18화면
」
八
ラオチャンドの死は意外に早く来た。
生憎、私は副院長の用事を帯びて、N地方へ旅行に出ていたので、ラ氏の臨終を親しく見届けてやる事が出来なかった、それを私は今尚お残念に思っているのである。
彼の屍骸が病院から何処へともなく運び去られて後、約一カ月程して、私は漸く旅行先から病院へと立ち戻って来た。
その時、多くの医師たちは既にラ氏の名前を忘れ去って、唯だ「印度人」と呼んだりしていた。
私は久々に自分の事務机へ向って坐った。そして吸取紙を出すために、机の抽出しを半分程明けた。抽出しが妙にきしむので、私は間に何か挾まっている事を察して、指を其処へ差し込んで見た。窮屈に圧されて、縮んでいる邪魔物をそっと引き出して、何の気なしに開いて見ると、それは未だ私が手を触れた事もない一通の手紙であった。差出し人はM丸乗組みの印度船員某、名宛人は院長及び副院長となって、その内容はほぼ次の通りの英文であった。
此の間、横浜へ寄港した次手に、私たちは貴院の施療部で御厄介になっているラオチャンドを見舞ってやった。彼れは瀕死の病者で、その上、自活費を一銭も持ち合していない貧者であった。