후리가나로 읽는 일본 고전
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ラしのふえ
ラ氏の笛
松永 延造
松永 延造의 ラ氏の笛(ラしのふえ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 8,706자 · 18화면
女が慌てて帰って行ったあと、ラ氏は私を招いて笑い、「魔女を追い払った」方法を私が見ていたかと尋ねた。彼れは私の質疑に答えて、斯う説明して呉れたのである――
「あの女は昨晩も来た。一昨晩も来た。そして、医師や看護婦の見ていぬ所で、何かしら重要な相談をするため、私に会いたいと要求したのです。私はこの屋上で出会う事を彼の女に許した。彼の女は約束の時間に此処へ上って来た。そして、私の病気が治り次第、彼の女と結婚して呉れと、嘆願するのでした。私はそれを聴き入れなかった。何故なら、彼の女が二十円ばかりの金を至急に借りたいため、私へ結婚の申し込みを敢てするのだという事が、はっきり分っていたからです。二十円? 何うしてそれが大金でないと言えよう。私は一週間後から、施療にして頂く身ではありませんか。
成る程、貴方は私が笛を吹いて後、彼の女へもそれを吹くようにすゝめたのを、不思議がっていらっしゃるけれど、考えて下さい。それは私の病気を恐れている彼の女の心をためすためにも、彼の女を大急ぎで追い払うためにも、是非必要だったのです。」
言葉は簡単で、にべもなかったが、その中には何かしら取りとめのない諦めが含まれているようであった。