후리가나로 읽는 일본 고전
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いちにんならじ
一人ならじ
山本 周五郎
山本 周五郎의 一人ならじ(いちにんならじ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 10,312자 · 21화면
晴信は手をあげて指さした、
「壕に架けてあるのは大手に見えるあの一つだけだ、あの架橋を落されてはならぬから、まずそこもとの手で押えてくれ」
「承知つかまつりました」
信勝は待ち兼ねていたとみえ、そう答えるなり物見を下りていった。
この合戦では架橋を確保するかしないかが戦局を左右するやまだ、信勝はそうにらんだので、おのれの陣へ戻るとすぐに高折又七郎を呼んでその旨を告げた。又七郎はにっと微笑して立った。声いっぱいにからからと笑ったように思えたが、誰も笑ったわけではない、立ちあがるとき又七郎の鎧が鳴ったのだ。彼もまたこの役目の重要さを、すばらしくやり甲斐のあるところとみてとったのである。……
手順がきまり、東堂舎人助によって先鋒の兵が選ばれた、このときの兵の組立てはちょうど薤のようなかたちだった。橋を確保すべき先鋒は五十人で、これを三百人の兵が包んでいる。敵陣へ斬り込むと薤がひと皮ずつ剥けるように、外側にいる兵が所在の敵と戦い、これを次ぎ次ぎと移していって、中核にいる先鋒を架橋まで送りこもうというのである。又七郎はみずからその中核の五十人の指揮を買って出た。