일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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いちにんならじ

一人ならじ

山本 周五郎

山本 周五郎의 一人ならじ(いちにんならじ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 10,312자 · 21화면

아오조라 문고

三

ただふしぎなことにはそのときその笛の音といっしょに初穂という者がはじめて心のなかへしみ込んできたのを彼は感じた。それはちょうどその人が妻戸を明けて部屋へはいってきたような感じだった、もう決して出てゆくことのない人のように。……

おなじ年の冬のはじめから武田晴信は上野のくにへ馬を入れ、しきりに諸方の城を攻めたが、明くる年の二月、国峰の城をやぶって箕輪へと取り詰めた。箕輪はやはり上杉氏に属し、長野左衛門大夫業政が城将としていた。業政は在五中将業平の裔であり、智謀すぐれた人物で、七年このかた武田氏に攻められながら、好防善戦かたく守って動がなかった。だが晴信もこんどは必至の采配をとった、輝虎と川中島に五たび戦い、ついにまた勝敗を決することのできなかった彼は、その余勢を集中して上野へ殺到したのである。

三

箕輪城は上野のくに群馬郡に在り、椿山という丘陵によって築かれている。国峰を屠ってひた押しに攻め寄せた武田軍は、外塁を蹂躪して城外へ逼ったが、そのとき大手の攻め口に新しく堅固な壕が掘られてあるのを発見した。左衛門大夫業政は武田勢の必至の軍配を察し適宜に兵をおさめて籠城対陣の策をとるものとみえる。