일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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いっけいわだい

一景話題

泉 鏡花

泉 鏡花의 一景話題(いっけいわだい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 4,673자 · 10화면

아오조라 문고

夫人堂

神戸にある知友、西本氏、頃日、摂津国摩耶山の絵葉書を送らる、その音信に、

なき母のこいしさに、二里の山路をかけのぼり候。靉靆き渡る霞の中に慈光洽き御姿を拝み候。

しかじかと認められぬ。見るからに可懐しさ言わんかたなし。此方もおなじおもいの身なり。遥にそのあたりを思うさえ、端麗なるその御姿の、折からの若葉の中に梢を籠めたる、紫の薄衣かけて見えさせたまう。

地誌を按ずるに、摩耶山は武庫郡六甲山の西南に当りて、雲白く聳えたる峰の名なり。山の蔭に滝谷ありて、布引の滝の源というも風情なるかな。上るに三条の路あり。一はその布引より、一は都賀野村上野より、他は篠原よりす。峰の形峻厳崎嶇たりとぞ。しかも海を去ること一里ばかりに過ぎざるよし。漣の寄する渚に桜貝の敷妙も、雲高き夫人の御手の爪紅の影なるらむ。

伝え聞く、摩耶山利天王寺夫人堂の御像は、その昔梁の武帝、女人の産に悩む者あるを憐み、仏母摩耶夫人の影像を造りて大功徳を修しけるを、空海上人入唐の時、我が朝に斎き帰りしものとよ。

知ることの浅く、尋ぬること怠るか、はたそれ詣ずる人の少きにや、諸国の寺院に、夫人を安置し勧請するものを聞くこと稀なり。