일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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シャンハイのじゅうめん

上海の渋面

豊島 与志雄

豊島 与志雄의 上海の渋面(シャンハイのじゅうめん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 7,959자 · 16화면

아오조라 문고

私は彼に或る世話になったが、次で彼の姿を求めようとすれば、もはや彼は何処かへ没し去って、捉えん術もなかった。私は一人街路を彷徨し、好きな老酒を飲みながら、額を押えて中国人の未知の友のことなどを考え耽るばかりであった。

その老酒の、六十二年たったという秘蔵の珍品を、ふとしたことから私はさる料理店主から一瓶分入手して、ホテルの卓上に据えていたところへ、丁度三木清君が上海にやって来た。私達三人は三木君を拉して、南京料理屋へ赴き、六十二年の老酒の杯を挙げ、私はなお足りずに、そこの老酒をしたたか飲み、随分と酔ってしまった。上海の未知の友には逢えなかったが、日本の友に会したのが嬉しかったのである。

茲に私事をつけ加えれば、私達三人というのは、上海行を共にした加藤武雄君と谷川徹三君と筆者とのことである。谷川君は各種の調査や骨董あさりに疲れながら、上海の騒音が睡眠の妨害をなすことに不平ばかり云っており、加藤君は唐詩選の中などの愛詩を口ずさみながら、目覚むるばかりの美人に逢えない不運をかこっており、私はただ何にも分らず老酒に酔ってばかりいて、両君に迷惑をかけはしなかったかを今では恐れるのである……とこう書いてしまえば、三人とも甚だ怪しからぬ者のようにも聞えるだろうが、これはただ愛嬌で、実は相当に働きもしたのである。