후리가나로 읽는 일본 고전
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ふしぎなるくうかんだんそう
不思議なる空間断層
海野 十三
海野 十三의 不思議なる空間断層(ふしぎなるくうかんだんそう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 14,651자 · 30화면
彼等はいつの間に、どこから入ってきたのだろう。
その女は、はじめ下を向いていたが、やがてオズオズと顔をあげて、乃公の方を睨むように見たのであった。
(呀ッ)
乃公はいきなり胸をつかれたように思って、はっと眼を外らせた。ああ、その女は乃公の愛人だったのである。若い男となんか手をとりあって入ってきやがってと、乃公の心は穏かでなかった。
だが乃公は、ここで慌てるのは恥かしいと思った。飽くまで悠々と落付きを見せて、卓子の方へ近づき、二人を背にして腰を下ろした。そして洋盃の中に酒をなみなみと注いで、そして静かに口のところへ持っていった。
ひそひそと、若い男女は乃公の背後で喃々私語しているではないか。その微な声がアンプリファイヤーで増音せられて、乃公の鼓膜の近くで金盥を叩きでもしているように響くのであった。
(あいつら、唯の仲じゃないぞ。もう行くところまで行っているに違いない!)
乃公はぐっとこみあげてくるものを、一生懸命に怺えた。でもむかむかとむかついてくる。乃公は目を瞑じて、洋盃をとりあげるなり、ぐぐーっと一と息に嚥み干した。そして空になった洋盃を叩きつけるようにがちゃりと、卓上に置いたのである。