일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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よにでるまで

世に出るまで

坂口 安吾

坂口 安吾의 世に出るまで(よにでるまで)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 7,557자 · 15화면

아오조라 문고

取手に一年、小田原にも一年ちかくいたろう。そのころ支那との戦争が長びいて暮しが窮屈になり、独り者は非常に暮しにくい状態になりつつあったのである。しかし私はガランドーというペンキ屋の友達があって、主人の三好達治が酒に不自由しても、居候の私の方はあんまり酒に不自由しないような変な生活をたのしむことができた。小田原は牧野信一の郷里であるから、ガランドーらはその一味で、酒に対してだけは大そう思いやりのある男だから、助かった次第であった。その代り私はバカになった。もっとも、バカになるより仕方がないような時世に移りつつあった次第だ。

大井広介が「現代文学」の同人に私を誘ったのはそのころだ。戦争中はずッとその同人で、大井広介の家へ行って、月のうち十日ぐらいはブラブラしていたが、彼の家は食糧が豊かで、非常に助かったものだった。

私は空襲のころ「二流の人」を書いた。もう原稿用紙もなかったので、いろんな寄せ集めの紙に書いた。また切支丹の歴史を調べ、島原の乱を書きはじめていた。このために、大観堂から借金して、島原と天草に旅行し、書き終ると直ちに出版の予定であったが、書き終らぬうち戦争が終ったので、この小説は書かないことにした。