후리가나로 읽는 일본 고전
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よにでるまで
世に出るまで
坂口 安吾의 世に出るまで(よにでるまで)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 7,557자 · 15화면
しかし、その係り官は、
「しかし、面白いことを書く奴じゃ」
と云ってワッハワッハ笑っていたそうだ。何が何やらワケのわからぬ次第で、日本中が逆上していたのだろう。
かえりみれば、私の一生は実にもう貧乏また貧乏の連続で、その貧乏たるや、抱腹絶倒ものであったのである。三日も否応なく絶食して水をのんで暮すようなことは時々あったが、手前が好んでもとめることだから仕方がない。深刻な顔をして悲しむような筋合の貧乏ではなく、手前勝手にのんだくれての貧乏であるから、仕方がない。一昔前なら、この貧乏物語の実録を書くだけで読者は抱腹絶倒したであろうが、今ではもうそうではない。日本人のほぼ全数が、私以上の貧乏をしてしまったからである。戦時中、また戦後の食糧事情は私の貧乏以上のものであった。私の貧乏は好んでのことであるからよろしいのだが、あの食糧事情は人々の好まざる運命だから気の毒だ。上には上があるものだ。私の貧乏すらも及ばぬという現実を見出したときに、私はあべこべに文学への迸しるような情熱を感じた。戦後の一時期はそんな風に何かに押しまくられた感じで書いたものであった。