일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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しがつばか

世相・競馬

織田 作之助

織田 作之助의 世相・競馬(しがつばか)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 19,112자 · 39화면

아오조라 문고

もっともこういうことは言っていた。胸の病いなんてものは、ひどく月並みな言い方だが、よほど芯の弱い者でない限り気持のもち方ひとつ、つまり精神で癒せるものだ、また人間の性格なんてもののそう急にがらりと変ってしまうものではない。陽気な性格の者ははじめからそういう素質を持っているものだ、ただ自分などあの頃は陰欝な殻を被っていたのでその素質がかくされていたのに過ぎない、つまりはその殻を脱ぎ捨てる切っ掛けを掴んだというだけの話、けれどその切っ掛けを掴むということが一見容易そうでその実なかなかむつかしくて、その動作の弾みをつけるのは並大抵のことではなかったと言うのである。例えば、彼はそのアパートを移るという簡単なことの弾みが容易につかなかったらしい。そしてそれが何よりいけなかったのだ。そのアパートの不健康さについては前に述べたが、殊に彼の部屋ときてはお話にならぬくらいひどかった。

実際私は訪れるたびに呆れていた、いや訪れることすら避けたかったくらい、それはどんな健康な人間でもそこに住めば病気になってしまうだろうと思われた、それほど陰気な部屋であった。佐伯はそのなかに蝸牛のように住みついていたのである。