후리가나로 읽는 일본 고전
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せけんし
世間師
小栗 風葉
小栗 風葉의 世間師(せけんし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 17,390자 · 36화면
水ぎわには昼でも淡く水蒸気が見えるが、そのくせ向河岸の屋根でも壁でも濃くはっきりと目に映る。どうしてももう秋も末だ、冬空に近い。私は袷の襟を堅く合せた。
「ねえ君、二三日待ちなせえよ。きっと送るから。」と船に乗り移る間ぎわにも、銭占屋はそのことを誓った。
汽船は出た。甲板に立った銭占屋の姿がだんだん遠ざかって行くのを見送りながら、私は今朝その話の中に引いた唄の文句を思いだして、
「どこのいずこで果てるやら――まったくだ、空飛ぶ鳥だ!」とそう思った。
が、その小蒸汽の影も見えなくなって、河岸縁に一人取残された自分の頼りない姿に気がつくと、私はきゅうに何とも言えぬ寂しい哀愁を覚えた。そうしてしみじみ故郷が恋しかった。
* * *
万年屋の女房はすっかり悄げ返っていたが、銭占屋に貰った五十銭が尽きると、間もなく三州屋にいるその亭主の所へ転げこんだ。で、元の鞘に収った万年屋夫婦は、白と千草の風呂敷包を二人で背負分けてどこへか行ってしまった。
銭占屋は二三日と私に約束して行ったが、遅れて七日めに、向地から渡ってきた蝙蝠傘の張替屋に托して二円送てくれた。