일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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ぼしぞう

久生十蘭短篇選

久生 十蘭

久生 十蘭의 久生十蘭短篇選(ぼしぞう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 48,344자 · 96화면

아오조라 문고

これでもれっきとした藤原一門の女だから、朝霞さえ後楯になってくれれば、保嗣への恋もものにならないものでもない。それにはまず朝霞の心を掴んでおくにかぎると浅墓な才覚をし、側見するところ、保平は口にこそ出さないが、いまだに朝霞のことを忘れかねて悩んでいるらしいということをいって朝霞の気持をそそりたてた。

そんなことを言われるまでもなく、朝霞にとって保平は幼な馴染みのなつかしい人間で、心のやさしいことも身に沁みて知っており、ひょっとしたら泰文にでなく保平に嫁いでいたかもしれないという微妙な想いがあったので、釣りこまれたわけでもあるまいが、つい白女に本心をもらしてしまった。白女はこれで朝霞の退引きならぬ弱身を掴んだと思い、正面切って保嗣に働きかけたが、保嗣は冷静で賢い青年だったので、ここでなにかしでかしたら泰文の腰刀の一と突きを食うだけだと、浪花の国府の府生に任官したのをさいわい、事のおきぬうちと、淀から舟に乗ってだしぬけに浪花へ発って行ってしまった。

白女の落胆はたいへんなもので、朝霞をつかまえては嘆きに嘆いた。朝霞のほうはおなじ繰言のまきかえしにうんざりし、ある日、たまりかねて素ッ気ないことをいうと、白女は朝霞の冷たい態度から、急に曲ったほうへ解釈した。